受託自動車共済約款 (全国運転代行共済協同組合)


第1章  共済契約の締結及び責任の開始

  • 〔契約の締結〕
  • 第1条
    • 受託自動車共済契約(以下「共済契約」といいます。)は、この約款によって締結します。

  • 〔定  義〕
  • 第2条
    1. この約款において受託とは、「自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律」(以下「運転代行適正化法」という。)第2条に定める定義に基づき、被共済者が、顧客の委託を受けて、有償で、顧客の指定する自動車(以下「受託自動車」といいます。)を、受託時の所在場所から、その占有下において顧客の指定する目的地まで、随伴する車両(以下「随伴車」といいます。)が追随して、運転することをいい、被共済者が受託する受託自動車は、自家用普通乗用自動車・自家用小型乗用自動車・自家用小型貨物自動車・自家用軽乗用自動車・自家用軽貨物自動車・自家用普通貨物自動車(一部限定)・自家用特種用途自動車(一部限定)・事業用普通乗用自動車・事業用小型乗用自動車・事業用普通貨物自動車・事業用軽乗用自動車・事業用軽貨物自動車に限るものとする。
      • (注)自家用普通貨物自動車は、最大積載量5t未満(車両総重量8t未満)の、普通自動車免許で運転可能な自動車に限ります。 自家用特種用途自動車は、普通自動車免許で運転可能な自動車(小型特殊自動車を除く。)に限ります。ただし、平成19年6月2日以後に取得した普通自動車免許を保有する場合は最大積載量3t未満(車両総重量5t未満)の車両に限ります。
    2. この約款において車両損害及び対人賠償損害または対物賠償損害が生じた場合の被共済者は、次の者とします。
      1. 運転代行適正化法で定める自動車運転代行業者で、共済契約書に記載された契約者(以下「共済契約者」という。)
      2. 運転代行適正化法に定める自動車運転代行業務従事者で、共済契約者の承認を得て受託自動車を受託中の共済契約者の従業員で、かつ、組合に従業員登録されている者。
    3. この約款において、損害賠償請求権者(以下「請求権者」という。)とは、被共済者が車両損害、対人賠償損害または対物賠償損害を生じさせたことにより、顧客または第三者に対し法律上の損害賠償義務を負うに至ったとき、その損害賠償を請求する法律上の権利がある者をいいます。
    4. この約款において、車両損害が生じた場合の被共済者(以下「車両共済被共済者」という。)は、受託自動車に損害を与えた随伴車あるいは受託自動車を運転中の者、または、共済契約者とします。
    5. この約款で時価とは、受託自動車と用途、車種、車名、型式、仕様、走行距離及び初年度登録年月を同一とする自動車の市場販売価格をいいます。この場合に、市場販売価格は、組合が定めた価格とします。また、受託自動車によって第三者の自動車に損害を与えた場合における価格についても、同様に算出した市場販売価格とします。
    6. この約款で重複契約とは、この共済契約の対象となる事故で他に締結されている保険契約または、共済契約をいいます。
    7. この約款で自賠責保険(共済)契約とは、自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)にもとづく責任保険(共済)をいいます。
    8. この約款で自動車取扱業者とは、自動車修理業、駐車場業、給油業、洗車業、自動車販売業、陸送業等、自動車を取り扱うことを業としている者(その使用人を含み、その者が法人であるときは、その理事または取締役その他法人の業務を執行する機関を含みます。)をいいます。
    9. 共済契約車両(被共済車両に随伴する車両(随伴車)。)は被共済者の使用する車両とします。
  • 〔車両の賠償範囲〕
  • 第3条
    1. 車両共済及び対物賠償共済において賠償しようとする自動車の装備として、自動車に定着(ボルト、ナットまたは、ネジ等で固定されており、工具等を使用しなければ容易に取り外せない状態をいいます。)または、装備(自動車の機能を十分に発揮させるための備品として備え付けられている状態をいいます。)されている物であって、通常の付属品とみなされる物は自動車の一部とみなします。但し、次の物を除きます。
      1. 燃料、ボディーカバー及び洗車用品。
      2. 法律、規則、条例等により、自動車に定着または、装備することを禁止されている物。その他特殊車両に改造された備品及び設備。(キャンピングカー等)
      3. 通常装飾品とみなされる物。
    2. 次の物は自動車の一部とみなしません。 ただし、請求権者が、その物を業務として使用している場合は、その限りではありません。
      1. 拡声装置、照明装置その他特殊自動車に定着する機械器具。
      2. 自動車に牽引される作業機。
      3. その他全国運転代行共済協同組合が定めた物。
  • 〔共済金額〕
  • 第4条
    • 共済金額は、車両共済金額、対人賠償金額、対物賠償金額、搭乗者傷害金額ごとに共済契約書に記載された金額を限度とします。

  • 〔契約の成立〕
  • 第5条
    1. 共済契約は、全国運転代行共済協同組合(以下「組合」という。)が共済契約の申込を承諾したとき、共済掛金相当額を添えて共済契約の申込がなされた日に成立したものとみなします。なお、共済金及び共済掛金の額は共済規程で定めます。共済責任は、共済契約書に記載された期間の初日の午後4時に始まり共済契約書に記載された共済期間の末日の午後4時に終わります。共済契約書は2部作成し、組合、共済契約者が所持する。組合は、契約証明書の交付によって承諾の通知とすることがあります。
    2. 契約者の申し出により申込書等に前項と異なる開始時間以外の時間が記載されている場合は記載時刻を共済責任開始時間とします。
    3. 代理店において収受した掛金が共済開始日の午後4時以降の場合の共済責任開始時間は、掛金収受時間に始まることとし、この場合もその時刻を共済申込書等に記載することとします。

第2章  共済金の支払

  • 〔賠償・共済の種類・範囲〕
  • 第6条
    1. 組合は、受託自動車の受託中に衝突、接触、墜落、転覆、物の飛来、物の落下その他急激かつ偶然な事故によって、次の損害が生じた場合、被共済者側がその過失割合に応じて本来負担すべき賠償額相当額をてん補するため、被共済者に車両共済金、対人賠償共済金、対物賠償共済金を支払います。(第三者がその過失割合に応じて本来負担すべき賠償額相当額については、その支払はしません。)
      1. 受託自動車に生じた損害(随伴車の運転手の過失により、受託自動車が被った損害を含みます)。 (以下「車両損害」という。)
      2. 受託自動車によって他人(受託自動車に同乗中の顧客らを含む)の生命または身体を害したため、被共済者が法律上の損害賠償義務を負ったことによって生じた損害(以下「対人賠償損害」という。)
      3. 受託自動車によって他人の財物を害したため、被共済者が法律上の損害賠償義務を負ったことによって生じた損害(以下「対物賠償損害」という。)
    2. 組合が支払う車両共済金の額、対人賠償共済金の額または対物賠償共済金の額は、1回の事故による損害に対して次の額とします。
      1. 車両損害
        受託自動車の修理金額が時価額以上となるとき 時 価 額-車両免責金額
        但し、時価額をこえて修理を行う場合に限り
        全損時価額+車両超過限度額(50万円以内)-車両免責金額
        修理金額が時価額未満の時 損害の額-車両免責金額
        1. 組合は、車両損害が生じた場合であって、受託自動車が自力で移動できないときに、受託自動車を損害発生場所から最寄りの修繕の場所もしくは、組合の指定する場所まで運搬したとき、または、これらの場所まで自力で移動させるための仮修繕をしたときは、共済金の他、その運搬または、仮修繕費のうち組合が認めた額を支払います。
        2. 前項の修繕の額及び損害の額は、その損害が生じた場所及び時における価格によるものとし、組合が決定します。
        3. 修繕の額とは、受託自動車を車両損害が発生する直前の状態に復旧するために必要な修繕費の額とします。
        4. 上記とは別に、組合が認めた代車料金等の間接費用を支払います。
      2. 対人賠償損害
        • 対人賠償共済金の額=損害賠償額-自賠責保険(共済)支払額
        • (被害者1名につき対人賠償共済金額を限度とする。)
      3. 対物賠償損害
        • 対物賠償共済金の額=損害賠償額-対物免責金額
        • (1回の対物事故について対物賠償金額を限度とする。)
      4. 第2号の自賠責保険(共済)契約より支払われる金額は、被共済自動車に自賠責保険(共済)契約が締結されていないときは、自賠責保険(共済)契約が締結されているとすれば支払われることとなる額とします。この場合、自賠責保険(共済)が支払うべき金額について、被共済者が賠償権者に対し賠償を行うこととします。
    3. 前項の場合、被共済者は賠償基準について、組合に対し、必要な助言を求めることができるものとします。
    4. 組合は、受託自動車を運転していた被共済者が身体に傷害を被った場合、共済規程別表1に定めるところにより搭乗運転者傷害共済金を支払います。
  • 〔重複契約の計算式〕
  • 第7条
    • 受託自動車について、車両損害、対人賠償損害、または対物賠償損害をてん補する重複契約(自賠責保険(共済)を除く)がある場合に、組合が支払う共済金の額は、第6条の規定にかかわらず次の算式により算出した額とします。

    損害の額=
    この共済契約の共済金の額
    ------------------------------------------------------------
    この共済契約の共済金の額+重複契約の共済金の額及び保険金の額

  • 〔解決の方法〕
  • 第8条
    1. 組合は、車両事故、対物事故または対人事故により、被共済者が損害賠償義務を負った場合、被共済者の委任を受け、組合が被共済者に対して支払責任を負う限度において、被共済者の同意を得て、被共済者のために示談交渉を行います。この場合、被共済者は組合の請求に応じ、その遂行について協力しなければなりません。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この規定は適用されません。
      1. 被共済者が請求権者に対して負う法律上の損害賠償責任額が、明らかに証書記載の共済金額を超える場合。
      2. 受託自動車に自賠責保険(共済)の締結がない場合。
      3. 正当な理由がなく、被共済者が、組合に対する協力を拒否した場合。
    2. 被共済者が損害賠償義務を負った場合でも、請求権者が、組合との間の示談交渉を拒否した場合は、被共済者が、直接、損害賠償権者との示談交渉を行うことになりますが、組合は被共済者に対し、必要な助言、協力を行うものとします。
    3. 被共済者に対する請求権者は、次の各号のいずれかに該当するときは、本組合が被共済者に対して共済責任を負う限度において、本組合に対して本条第5項に定める損害賠償額の支払いを請求することができます。
      1. 被共済者が請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額について、被共済者と請求権者との間で、判決が確定したときまたは裁判上の和解もしくは調停が成立したとき。
      2. 被共済者が請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額について、被共済者と請求権者との間で、書面による合意が成立したとき。
      3. 本条第5項に定める損害賠償額が共済契約書記載の限度額(同一事故につきすでに支払った共済金または損害賠償額がある場合は、その額を差し引いた額)をこえることが明らかになったとき。
      4. 被共済者について次のいずれかの事由があったとき。
        1. 被共済者、その相続人の破産または生死不明。
        2. 被共済者の死亡(その相続人がいない場合に限る。)
      5. 請求権者が被共済者またはその相続人に対して、損害賠償の請求を行う場合において、被共済者またはその相続人と折衝することができないと認められるとき。
    4. 組合は、請求権者から前項の規定により損害賠償額の支払いの請求があったときは、組合がこの約款に従い被共済者に対して支払うべき共済金の額(同一事故につきすでに支払った共済金または損害賠償額がある場合は、その額を差し引いた額)を限度として、請求権者に対して本条第5項に定める損害賠償額を支払います。ただし、前項第5号の規定により損害賠償額の支払いの請求があったときは、請求権者が被共済者に対する損害賠償請求権を行使しないことを被共済者に対して書面で承諾したときに限り損害賠償額を支払います。
    5. 本条にいう損害賠償額とは、人身事故の場合は、次の第1号の額から第2号及び第3号の合計額を差し引いた額をいいます。また、車両損害及び対物損害については、第1号の額から第3号及び第4号の合計額を差し引いた額をいいます。
      1. 被共済者が請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額
      2. 自賠責保険(共済)によって支払われる金額
      3. 被共済者が請求権者に対してすでに支払った損害賠償金の額
      4. 共済証書に免責金額の記載があるときは、その免責金額
    6. 第4項、第5項の規定に基づき組合が請求権者に対して損害賠償額の支払いを行ったときは、その金額の限度において本組合が共済契約者に対して損害を支払ったものとみなします。
  • 〔組合の立替払〕
  • 第9条
    1. 被共済者または請求権者(以下この項において、「被共済者等」といいます。)が車両の損害賠償の請求をすることができる場合には、当組合は、その車両損害に対して支払った共済金の額の限度内で、かつ、被共済者等の権利を害さない範囲内で、被共済者等がその者に対して有する権利を取得します。
    2. 被共済者は、前項により移転した請求権を当組合が行使するにあたって、当組合が必要とする書類の提出等を求めた場合には、これに協力しなければなりません。
    3. 第1項、第2項については、被共済者の過失の有無を問わず、対人賠償を要する事故で、賠償をすべき車両が不明で自賠責保険(共済)の存否が不明なときについても適用します。ただし、人身事故としての交通事故証明書が取得できる場合に限り、被害者1名あたり傷害部分のみ120万円の支払を限度とし、後遺障害・死亡は対応いたしません。
  • 〔組合の権利取得〕
  • 第10条
    1. 組合が当約款に基づき全損として車両共済金または対物共済金を支払った場合には、組合は当該被害物について所有者が有する全ての権利を取得します。
    2. 当組合が修理ではなく交換を認めた被害物に関しても、組合は当該被害物について所有者が有する全ての権利を取得します。
    3. 前2項の場合において、当組合がその権利を取得しない旨の意思を表示して共済金を支払ったときは、被害物の所有者が有する権利は当組合に移転しません。

第3章  共済金を支払わない損害

  • 〔共通免責条項〕
  • 第11条
    • 組合は、車両損害・対人賠償損害・対物賠償損害・搭乗運転者傷害共済が生じた場合であっても、その損害が次のいずれかに該当するときは、共済金を支払いません。
      1. 次の者の故意または重大な過失によって生じた事故による損害。
        1. 被共済者、請求権者または、共済金を受け取るべき者(これらの者が法人であるときは、その理事及び取締役その他法人の業務を執行する機関)
        2. (1)の者の法定代理人、及び業務に従事中の使用人
        3. (1)の者の父母、配偶者または子
        4. 受託自動車に同乗中の顧客及び顧客の指定した同乗者
      2. )組合に従業員登録がされていない者が受託自動車を運転している間に生じた損害
      3. )随伴車として組合に登録がされていない車両を使用し、受託自動車を受託している間に生じた損害または随伴車が随伴していないときの損害
      4. 戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変または暴動による損害(群衆または多数の者の集団の行動によって、全国または一部の地区において著しく平穏が害され、治安維持上重大な事態と認められる状態をいいます。)
      5. 地震、噴火及びこれらによる津波による損害
      6. 核燃料物質(使用済燃料を含みます。以下この項において同様とします。)もしくは核燃料物質によって汚染された物(原子核分裂生成物を含みます。)の放射線、爆発性その他有害な特性の作用またはこれらの特性に起因する事故による損害
      7. 前号に規定した以外の放射線照射または放射能汚染による損害
      8. 前5号から第7号の事由に伴って生じた事故またはこれらに伴う秩序の混乱に基づいて生じた事故による損害
      9. 受託自動車の盗難(盗難後の受託自動車そのものの損害及び受託自動車によって他人を死傷させ、または他人の財物を損傷させた場合も含む。)による損害
      10. 被共済者が、受託自動車の使用について、正当な権利を有する者の承認を得ないで受託自動車を運転中の事故によって生じた損害
      11. 自動車取扱業者が業務として受託自動車を使用又は管理している間に生じた損害
      12. 運転代行適正化法第5条に基づき認定手続きを行い、認定が下りていない時点での損害

  • 〔車両共済免責条項〕
  • 第12条
    • 組合は車両損害が生じた場合であっても、前条のほか、次のいずれかに該当するときは、車両共済金を支払いません。
      1. 受託自動車が道路運送車両法(道路運送車両法施行規則及び道路運送車両の保安基準を含みます)に規定する規格以外に改造がされている車両に生じた損害。だだし、その改造が原因とする損害及び改造部分にかかわる損害に限る。
      2. 受託自動車に受託時前から存在する欠陥、摩滅、腐食、さびその他自然の消耗
      3. 共済契約者名義の車両に生じた損害
      4. 受託自動車について、安全に運転できる状態に整備され、官庁の検査を受けたことの確認を怠ったとき、検査を受けていないことを知っていたときに被共済自動車に生じた損害(自動車検査証の有効期間切れを含みます)
      5. 被共済者が法令に定められた運転資格を持たないで、または酒に酔ってもしくは麻薬、大麻、アへン、覚醒剤、シンナー等の影響により、正常な運転ができないおそれがある状態で受託自動車を運転しているときに生じた損害
      6. 地下道の冠水など事故が予見できるにもかかわらず、回避措置を怠りその間に生じた損害

  • 〔対人・対物賠償共済免責条項〕
  • 第13条
    • 組合は、対人賠償損害または対物賠償損害が発生した場合であっても、その損害が次のいずれかに該当するときは、対人賠償共済金または対物賠償共済金を支払いません。
      1. 共済契約者またはその法定代理人(共済契約者が法人である場合には、その理事、取締役または法人の業務を執行するその他の機関)の生命または身体が害された場合。
      2. 受託自動車に自賠責保険(共済)が締結されていない場合は、自賠責保険(共済)が本来負担すべき部分。この場合、組合の事故対応は、自賠責保険(共済)が本来負担すべき部分が、自賠責保険(共済)の保険金額を超えることが明らかになったときから、開始されます。
      3. 共済契約者またはその法定代理人(共済契約者が法人である場合には、その理事、取締役または法人の業務を執行するその他の機関)あるいは、共済契約者が所有、使用または管理する財物が滅失、破損または汚損された場合。

第4章  事故の発生

  • 〔事故通知〕
  • 第14条
    1. 共済契約者は、事故が発生したことを知ったときは、その日より 7日以内に組合に通知するものとします。
    2. 組合は、共済契約者が正当な理由がないのに前項の手続きを怠ったため、共済金の額の決定が著しく困難になったとき、あるいはそのことによって、損害が拡大した場合、損害額の一部または全部を支払わないことがあります。
  • 〔損害軽減措置〕
  • 第15条
    1. 被共済者は、事故が発生したときは、その損害の防止及び軽減に努め、また他人から損害賠償を受けることができるときは、その権利を保全もしくは行使について必要な手続きを行うものとします。その場合に、その損害の防止または、軽減に必要な費用を支出するときは、あらかじめ、組合の同意を得るものとする。ただし、緊急に支出を要する場合はこの限りではありませんが、費用の削減に努力しなければなりません。
    2. 被共済者が、故意または重大な過失により前項の損害防止、軽減に努めず、または他人から受けることのできる損害賠償の権利の保全行使の手続きを取らなかったときは、共済金を支払わないことがあります。
  • 〔事前承認〕
  • 第16条
    1. 被共済者は、車両損害が生じた場合に、被共済自動車を修繕するときは、必要な応急手当を除き、あらかじめ、組合の承認を受けなければならない。
    2. 被共済者は、対人賠償損害または対物賠償損害にかかる損害賠償義務を承認するときは、必要な応急手当分を除き、あらかじめ、組合の承認を受けなければならない。
    3. 被共済者またはその代理人が、対人賠償損害または対物賠償損害にかかる訴訟を提起するときは、あらかじめ、組合へ通知するものとする。
    4. 被共済者が、正当な理由がないのに第1項から第3項の手続きを怠ったときは、損害賠償の額から組合が損害賠償の義務がないものと認めた額を差し引いた額を損害賠償金の額とみなします。
  • 〔損害の調査〕
  • 第17条
    1. 組合は、受託自動車に生じた損害及び第三者の所有する財物について修繕費の額、損害の額、時価額を決定するため必要があるときは、受託自動車及び第三者の財物を検査または調査をすることができます。
    2. 組合は、被共済者及び請求権者またはこれらの代理人が正当な理由がないのに前項の検査等の行為を妨害したときは、共済金を支払わないことがあります。
  • 〔共済金の請求〕
  • 第18条
    1. 共済契約者は、受託自動車に損害が生じたことを知ったとき、または対人賠償損害もしくは対物賠償損害の額が確定したときは、組合の所定の書類にて共済金の請求をするものとする。
    2. 共済契約者は、受託自動車の車両損害、対人賠償損害もしくは対物賠償損害について損害賠償金を支払ったときは、支払ったことを証明する書類を組合へ提出するものとする。
  • 〔共済金請求の期限〕
  • 第19条
    • 組合は、次のときには、共済金を支払いません。
      1. 共済契約者及び被共済者が支払手続きを法律上の損害賠償責任の額が確定した日から3年間怠ったとき
      2. 共済契約者及び被共済者が支払請求に必要な書類に故意に事実でないことを記載し、またはその書類もしくはその損害にかかる証拠を偽造し、もしくは変造したとき

第5章  通知義務

  • 〔組合への通知〕
  • 第20条
    1. 共済契約者は次の時には、あらかじめ書面または電話で組合へ通知するものとします。
      1. 組合に従業員登録されている者に変更があった場合
      2. 随伴車に変更があった場合
      3. 受託自動車の補償について、重複契約を締結するとき
    2. 組合は、前項の通知があったときには、その事実の確認に関する調査をすることができます。
    3. 第1項(1)(2)については、組合のwebサイトから通知することも可能とします。
  • 〔契約の無効①〕
  • 第21条
    • 共済契約は、次の時は無効とします。
      1. 共済契約者が、すでに事故が発生していたにも拘わらず、共済契約を締結し、その事故の共済金の請求をしたとき。
  • 〔契約の無効② 解除、失効、解約〕
  • 第22条
    1. 共済契約の申込(異動)の際、契約者が故意または重大な過失によって共済申込書に事実でないことを告げたときは、または事実を告げなかったときは将来に向かって共済契約を解除します。
    2. 組合は、共済契約者より共済掛金(増額掛金)について期日までに払込がない場合は、共済金の支払はいたしません。また、将来に向かって共済契約を失効いたします。
    3. 共済契約について共済契約者及びその代理人に詐欺の行為があった場合、組合は共済契約を解除できます。また、支払った共済金は共済契約者より組合へ返還となります。
    4. 組合は、共済契約者が第20条の通知を怠った場合、将来に向かって契約を解除できます。また、通知を怠った間に生じた損害については共済金を支払いません。

第6章  搭乗運転者傷害共済

  • 〔搭乗運転者傷害共済金を支払う場合〕
  • 第23条
    1. 組合は、被共済者が次の各号のいずれかに該当する急激かつ偶然な外来の事故により身体に傷害を被ったときは、搭乗運転者傷害共済金を支払います。
      1. 受託自動車の運行に起因する事故
      2. 受託自動車の運行中の、飛来中もしくは落下中の他物との衝突、火災、爆発または受託自動車の落下
    2. 前項の傷害には、日射、熱射または精神的衝動による傷害を含みません。
  • 〔被共済者〕
  • 第24条
    • この章において被共済者とは、第2条第2項に規定する者で受託自動車を運転している者をいいます。ただし、極めて異常かつ危険な方法で運転中の場合を除きます。

  • 〔搭乗運転者傷害共済金を支払わない場合〕
  • 第25条
    1. 組合は、次の傷害については、搭乗運転者傷害共済金を支払いません。
      1. 被共済者の自殺行為、犯罪行為または重大な過失によってその本人について生じた傷害
      2. 被共済者が法令に定められた運転資格を持たないで、または酒に酔ってもしくは麻薬、大麻、アへン、覚醒剤、シンナー等の影響により、正常な運転ができないおそれがある状態で受託自動車を運転しているときに生じた損害
      3. 脳疾患・疾病を原因として正常な運転ができない状態で生じた傷害
      4. 人身事故としての交通事故証明書が取得できないとき
      5. 平常の生活または業務に支障のない程度の微傷に起因する創傷伝染病(丹毒、リンパ腺炎、敗血病、破傷風等)
      6. 前各号以外については、第11条を適用します。
  • 〔搭乗運転者傷害共済金額〕
  • 第26条
    • 組合は、被共済者が第23条の傷害を被り、その直接の結果として、事故の発生の日から180日以内に死亡したときは、被共済者1名ごと共済契約書の共済金額の金額を死亡共済金として被共済者の相続人に支払います。

  • 〔後遺障害共済金〕
  • 第27条
    1. 組合は、被共済者が第23条の傷害を被り、その直接の結果として後遺障害が生じ、自動車損害賠償保障法または労働者災害補償保険法に基づく後遺障害であるという認定を受けた場合は、共済金額に別表1各等級の後遺障害に対する共済金支払割合を乗じた額を後遺障害共済金として被共済者に支払います。
    2. 上記第1項の認定を受けられない場合であっても、別表1に掲げる後遺障害に該当するという医師の診断書が提出された場合は、定款第60条に規定する審査委員会で支払いの諾否を決定します。
    3. 既に他の原因に基づく後遺障害が存在している被共済者が第23条の傷害を被ったときは、その後の後遺障害等級に該当する共済金より既存の後遺障害の等級に該当する共済金額を差し引いた共済金を支払います。
  • 〔医療共済金〕
  • 第28条
    • 組合は、被共済者が第23条の傷害を被り、その直接の結果として、生活機能または業務能力の滅失または減少をきたし、かつ医師の治療を要したときは、共済規程別表4の内容で医療共済金を支払うこととします。

  • 〔搭乗運転者傷害共済金の限度〕
  • 第29条
    1. 組合は、1回の事故に基づく傷害について、後遺障害共済金と医療共済金を支払う場合には、その合計額を支払います。
    2. 組合は、死亡共済金を支払う場合において、すでに支払った搭乗運転者傷害共済金があれば、その金額を差し引いて、その残額を支払います。
  • 〔既存傷害、治療の遅延〕
  • 第30条
    1. 被共済者が第23条の傷害を被ったときすでに存在していた身体傷害もしくは疾病の影響により、または、第23条の傷害を被った後にその原因となった事故と関係なく発生した傷害もしくは疾病の影響により第23条の傷害が重大となったときは、組合は、その影響がなかった場合に相当する金額を決定してこれを支払います。
    2. 正当な理由がなくて被共済者が治療を怠り、または共済契約者もしくは共済金を受け取るべき者が治療をさせなかったために第23条の傷害が重大となったときも、前項と同様の方法で支払います。
  • 〔共済金額の限度〕
  • 第31条
    • 1回の事故につき、被共済者1名に対して組合が支払うべき共済金の額は、第26条(死亡共済金)、第27条(後遺障害共済金)、第28条(医療共済金)、から第30条までの規定による額とし、かつ、共済金額を限度とします。

  • 〔他章の適用〕
  • 第32条
    • 本章に規定しない事項については、本章の規定に反しないかぎり、前各章の規定を準用します。

第7章  その他

  • 〔準拠法〕
  • 第33条
    • この約款に規定のない事項については、日本国の法令に準拠します。

  • 附 則
    • この規約は、主務官庁から承認された日(平成26年11月1日)から施行する。

【別表1】搭乗運転者傷害共済 後遺障害等級表

  • 各等級の後遺障害は、自動車損害賠償保障法施行令別表第1・第2(労働者災害補償保険適用に基づく後遺障害認定の場合は労働者災害補償保険法施行規則別表第1)に準ずる。
等級 支払割合
第1級 80%
第2級 69%
第3級 59%
第4級 50%
第5級 42%
第6級 35%
第7級 28%
第8級 22%
第9級 16%
第10級 12%
第11級 9%
第12級 6%
第13級 4%
第14級 2%